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アダチ版画研究所では、現在彫師(ほりし)と摺師(すりし)合わせて5名が同じ仕事場で制作活動をおこなっています。通常、彫師や摺師はそれぞれ独立して自宅などで作業をしており、アダチ版画研究所のように彫師と摺師が同じ屋根の下で一緒に仕事をする工房スタイルは、今や日本で唯一のものとなっています。 江戸時代の浮世絵制作と同様、版元が彫師と摺師に指示を与え、またその三者が同じ仕事場で協力して仕事をすることによって、これまでアダチ版画研究所ではクオリティの高い数々の作品を作り出してきました。
アダチ版画研究所の工房では、彫師・摺師共に熟練の技術者が親方となり、一流の彫師・摺師を目指す若い技術者の指導にあたっています。一般的に伝統木版技術者の見習いとしての修行期間は、摺5年、彫4年と言われます。しかし、見習期間が終わっても技術者としての一流の域に達するまでには、長く厳しい修行の道が続きます。伝統木版技術者の頂点とも言うべき親方から、次代の頂点を目指す若者に、400年の歴史を持つ伝統木版の技術が伝えられる、この技術の伝承が伝統木版の将来を支えています。