アダチ伝統木版画技術保存財団
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アダチUKIYOE大賞

結果発表


沢山のご応募有難うございました。公募の結果は下記のとおりとなりました。

【第2回 アダチUKIYOE大賞 結果】
募集期間 2010年7月下旬より2010年11月末日まで
募集内容 応募要項(2010年)のページ参照
応募点数 65点
《応募者データ》
[居住地] 日本、台湾
[平均年齢] 36歳(最年長:70歳 / 最年少:10歳)
選考委員 瀬木慎一先生(美術評論家・当財団評議員)
三井田盛一郎先生(版画家・東京芸術大学准教授)
安達以乍牟(当財団理事長)
審査方法

「21世紀の浮世絵師」としての応募者の将来性を重視し、受賞者を決定しました。なお、最終選考に残った作品はいずれも甲乙つけがたく、今回特別に佳作を設け、4名を選出いたしました。
今後の版画制作にあたっては、改めて主催者と受賞者とで話し合いを行い、江戸時代の版元と浮世絵師がそうであったように、両者のアイディアをすり合せることで版下絵を完成させ、版画の制作に臨みたいと考えます。
一次審査通過 15点 / 二次審査通過 6点

受賞

≪大賞≫賞金20万円+木版画として制作
・志世都りも
≪副賞≫賞金10万円+木版画として制作
・竹内 英梨奈
≪佳作≫賞金 各3万円
・中田仙次郎 / 和也 / 梅村圭 / 榎本華m


大賞 志世都りも
【職人によって制作された木版画作品】
志世都りも
応募作品@「ビッグ・マウンテン・ソバ・ヌードル」
志世都りも
応募作品Aより

 © RImo Shiyotsu
[選考者のコメント]
世代を問わず楽しめる作品@のユーモアが大賞決定の要因となりました。作品@は版下絵を意識したモノクロの線描ですが、ポートフォリオ(A)から、受賞者の明るい色遣いが分かりました。日頃から積極的に日本画を制作されており、線と色彩の調和にとても敏感な作家のようです。シュールな主題の数々は応募者の中でも個性的でしたが、応募作@には親近感の持てるモチーフをちりばめており、浮世絵の大衆性を意識してのものと思われ、非常に好感が持てました。
副賞 竹内 英梨奈 ■竹内英梨奈ウェブサイト >>
【職人によって制作された木版画作品】
竹内英梨奈
応募作品@「能無しサラリーマン世直しの為調教の図」
竹内英梨奈
応募作品Aより

© Erina Takeuchi

[選考者のコメント]
作品@Aと合わせて、性的あるいは暴力的な際どい主題をあっけらかんと描いてしまうスタイルに魅力を感じました。一つ一つの作品から、そこに注がれたエネルギーが伝わってくる、ある種のひたむきさが、この作者の強みだと思います。描けば描くほど伸びるタイプの作家と思われ、延びしろ部分への期待を込め、副賞の授賞を決定しました。
佳作 中田仙次郎 ■THE STARVING MONKEY(中田仙次郎ウェブサイト)>>
(左)応募作品@/(右)応募作品Aより © Senjiro Nakata
[選考者のコメント]
江戸絵画に見られる奇抜な着想を咀嚼した動物図が印象に残りました。のびのびした描線とモチーフの組み合せの巧みは、魅力だと思います。
佳作 和也
(左)応募作品@/(右)応募作品Aより © Kazuya
[選考者のコメント]
独自の流線のデザインにセンスが光る作家です。一枚の絵として見せるのには、難しさがある作品のように感じられました。
佳作 榎本華m
(左)応募作品@/(右)応募作品Aより © Fachin Enomoto
[選考者のコメント]
応募者の中でも比較的年齢が若く、自分の画風を模索している段階だと思われますが、多方面に向かって挑戦する制作意欲に共感できました。
佳作 梅村 圭
(左)応募作品@/(右)応募作品Aより © Kei Umemura
[選考者のコメント]
日常目にする光景を、すべて骸骨で描くスタイルが面白かったです。骸骨の格好やちょっとした仕草の中に人間味があり、多くの人が楽しめる作風でした。

選考にあたって

【総評】
審査風景2回目となった今回は、前回の経験を踏まえ、任意提出であったポートフォリオを提出必須としました。そのためもあってか、応募点数は前回の約半分となりましたが、結果として、作家一人一人とじっくり向き合った選考が出来ました。

応募作全体の傾向としては、江戸時代の浮世絵を引用したパロディ作品や、和風を強調した作品が減りました。これは応募者が「浮世絵」をより自由な発想でとらえて下さったものと考えます。また、応募作品@において、実物(コピーや写真ではない)の応募が占める割合が増えました。つまり、本大賞の趣旨に沿って制作された新作の応募が増えたということは事務局として喜ばしいことだと思います。実際、最終選考まで残った作品のほとんどが手描きの新作でした。

選考の一番の鍵は、その作品を木版で作ったとき、どこに木版の特性が活かされるか、です。奇しくも前回に続き大賞がモノクロの線描画となりましたが、両受賞者とも、ポートフォリオ掲載の作品群が、作者の豊かな色彩感覚を物語っていました。今回も、しなやかな線、明るく鮮やかな色面に魅力を感じられるものが選考に残りました。そして、描かれているモチーフが、一人でも多くの人の共感を得るものであることが最終的な受賞作を決めました。

前回の開催後、「浮世絵」についての解釈をはじめ、各方面からご意見をいただきました。第2回の実施では、それらを念頭に、現代における「浮世絵」のあり方を今一度考えながら選考を進めました。今回の選考結果が、本公募における「浮世絵」の語に、前回以上に幅の広がりを持たせられればと考えます。そうやって回を重ねることで、「アダチUKIYOE」という新たな浮世絵の一ジャンルを確立していくことが本公募の目指すところです。

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