東京・目白に工房を構え、復刻版の浮世絵や現代木版画を制作しているアダチ版画研究所では、毎月、全国各地で行われている浮世絵の展覧会情報を更新しています。現在開催中、および10月開催のオススメ浮世絵展覧会をPick upにてご紹介します!各地で魅力的な浮世絵の展覧会が目白押しです。 なお、新型コロナウイルスの影響により営業時間等が変更になる場合がございますので、必ず各館の公式HPをご確認の上お出かけください。

 

◆ 10月のPick up!オススメ展覧会

 

東京・飯田橋にある日中友好会館美術館では、現在「珠璧交輝 清代木版年画+UKIYO-E」が開催されています。

 

日中国交正常化50周年を記念して開催される本展では、浮世絵が庶民の間で流行した日本の江戸時代と、華麗な文化が花開いた中国の清の時代、同時代に発展を遂げた日中の木版画が一堂に会します。
それぞれの庶民の生活を写し取った中国の清代木版年画と日本の浮世絵。「人物」「芝居」「風景・遊楽」の、3つの共通テーマに沿って掘り下げていくと、それぞれの国民性を色濃く反映した特色だけでなく、互いの共通点もみてとれます。
また、会期中には関連イベントも多数開催。京劇や中国伝統楽器のコンサートなど、中国文化に触れることのできるイベントのほか、毎日浮世絵の摺り体験が開催されています。そして10月22日(土)には、アダチ版画の摺師による摺の実演(浮世絵デモンストレーション)もございます。
芸術の秋、清代木版年画と浮世絵の"日中版画文化の華麗な共演"を是非お楽しみください。

※浮世絵デモンストレーションは事前申込制です。詳細は下記リンクより、日中友好会館美術館のHPをご覧ください。



 
日中友好会館美術館 (東京・飯田橋)
珠璧交輝
清代木版年画+UKIYO-E
9月23日(金)~11月20日(日)
※浮世絵デモンストレーションは10月22日(土)に開催



◆ アダチ版復刻浮世絵の取り扱いがある美術館・博物館

下記でご紹介する美術館・博物館では、常時アダチ版復刻浮世絵をお求めいただけます。(お求めいただけない商品もございますので、ご了承ください。) 「実際に復刻版の浮世絵を見てみたいけれど、目白のショールームまで行くのが難しい...」という方も、ぜひお近くの美術館・博物館でご覧いただければ幸いです。

太田記念美術館 (東京・原宿)
はこぶ浮世絵-クルマ・船・鉄道
10月1日(土)~10月26日(水)
信州小布施 北斎館 (長野・小布施)
秋のお宝大放出-北斎館名品展-
9月3日(土)~11月13日(日)
静岡市東海道広重美術館 (静岡・清水)
広重と国貞
9月13日(火)~11月13日(日)
 
東京国立博物館 (東京・上野)
浮世絵と衣装―江戸
通年展示
MOA美術館 (静岡・熱海)
開館40周年記念名品展
9月1日(木) ~10月25日(火)
中山道広重美術館 (岐阜・恵那)
東海道をゆく
10月6日(木)~12月11日(日)

◆ その他、オススメの浮世絵展覧会




川崎浮世絵ギャラリー
(神奈川・川崎)
歌川広重
行書・隷書東海道
8月27日(土)~11月13日(日)

日時予約制

茂木本家美術館
(千葉・野田)
広重アングル
名所江戸百景展
9月7日(水)~12月11日(日)



山口県立萩美術館・浦上記念館
(山口・萩)
蒐集家 浦上敏朗の眼
浮世絵・やきもの名品展
9月10日(土)~11月13日(日)
 
サントリー美術館 (東京・六本木)
美をつくし
大阪市立美術館コレクション
9月14日(水)~11月13日(日)
岡田美術館 (神奈川・小涌谷)
花鳥風月
名画で見る日本の四季
7月16日(土)~12月18日(日)
北海道立旭川美術館 (北海道・旭川)
世界が絶賛した浮世絵師
北斎展
9月17日(土)~11月27日(日)


>>その他全国の浮世絵が見られる美術館・博物館情報はこちら(※「北斎今昔」内リンク)

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■広重が描く芝居町の月夜

アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、3ヶ月に一度、3/6/9/12月の第一火曜日に新作を公開します。2022年9月の壁紙は、歌川広重の「名所江戸百景」の秋の名作「猿わか町夜の景」です。

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スマホ用壁紙(2022年9月版)ダウンロードはこちら
※画像はアダチ版画研究所が制作した復刻版浮世絵を使用しています。
※個人で楽しむ範囲でご利用ください。商用利用、再配布禁止。

■この壁紙に使用されている作品は?

歌川広重の「名所江戸百景」は、四季折々の情趣を織り交ぜながら江戸のさまざまな名所を描いた広重晩年の代表作。題名は「百景」とうたっていますが、好評を博し最終的に120図を越える(※弟子の二代広重が描いた作品を含む)一大シリーズとなりました。のんびりとした素朴な風景を得意とした広重ですが、本シリーズでは風景画としては珍しい縦構図を採用し、大胆なトリミングや独特の遠近感で、百万都市・江戸の風景をモダンなセンスで切り取っています。老境の広重のこの挑戦は、今なお多くの表現者たちを勇気づけ、影響を与え続けています。

「猿わか町夜の景」に描かれているのは、江戸時代末期の芝居町、猿若町(現在の浅草)。芝居小屋が立ち並び、役者や芝居関係者の多くが住んだ町でした。木版の透明感のある藍色が、秋の夜空の凜として澄んだ空気を伝えてくれます。煌々と輝く満月は、和紙の肌地の白をそのまま活かして表現。極端な遠近法とうつろな影法師が、いつまでも芝居の余韻に浸っていたい人々の夢見心地を表しているかのようです。広重の「名所江戸百景」から多くのインスピレーションを得たと言われているのが、あのフィンセント・ファン・ゴッホ。名作「夜のカフェテラス」は本作からの影響が指摘されています。

歌川広重「名所江戸百景 猿わか町夜の景」商品ページはこちら


東京・目白に工房を構え、復刻版の浮世絵や現代木版画を制作しているアダチ版画研究所では、毎月、全国各地で行われている浮世絵の展覧会情報を更新しています。現在開催中、および9月開催のオススメ浮世絵展覧会、また、今月は浮世絵に関するオススメイベントをPick upにてご紹介します!各地で魅力的な浮世絵の展覧会が目白押しです。
なお、新型コロナウイルスの影響により営業時間等が変更になる場合がございますので、必ず各館の公式HPをご確認の上お出かけください。

 

◆ 9月のPick up!

 

今月は、埼玉・川角にある城西大学にて、9月より行われる2022年度の浮世絵講座&摺り実演会をご紹介いたします!

 

城西大学水田美術館は、城西大学の創始者である水田三喜男氏による、約200点の浮世絵コレクションを母体とした美術館です。同館は現在休館中ですが、9月~12月にかけて5回に渡り、浮世絵講座が開催されます。「役者絵」「名所絵と風景画」「美人画」「武者絵と戯画」「おもちゃ絵」と、作品のテーマごとに専門家を招く講座の会場参加は、大好評につき、すでに各回満員とのこと。zoomでのオンライン講座はまだご参加受付中ですので、滅多にないこの機会をぜひお見逃しなく!

そして本企画の一環として、9月24日(土)午後2時~3時に、アダチ版画の摺師による摺りの実演会が行われます!
アダチ伝統木版画技術保存財団のスタッフの解説とともに、作品が摺りあがっていく様子をご覧いただける貴重な機会です。私どもが継承に努める伝統木版画技術を、ぜひ間近で体感していただければ幸いです。
お申込み方法は下記リンクより公式HPにてご確認ください。



 
城西大学水田三喜男記念館 講堂 (埼玉・川角)
浮世絵講座&摺り実演会
2022年9月~2022年12月
※アダチ版画の摺師による実演会は9月24日(土)に開催



◆ アダチ版復刻浮世絵の取り扱いがある美術館・博物館

下記でご紹介する美術館・博物館では、常時アダチ版復刻浮世絵をお求めいただけます。(お求めいただけない商品もございますので、ご了承ください。) 「実際に復刻版の浮世絵を見てみたいけれど、目白のショールームまで来るのは難しい...」という方も、ぜひお近くの美術館・博物館でご覧いただければ幸いです。

太田記念美術館 (東京・原宿)
浮世絵動物園
7月30日(土)~9月25日(日)
信州小布施 北斎館 (長野・小布施)
秋のお宝大放出-北斎館名品展-
9月3日(土)~11月13日(日)
静岡市東海道広重美術館 (静岡・清水)
広重と国貞
9月13日(火)~11月13日(日)
 
東京国立博物館 (東京・上野)
浮世絵と衣装―江戸
通年展示
中山道広重美術館 (岐阜・恵那)
木曽海道六拾九次之内
9月1日(木)~10月2日(日)
MOA美術館 (静岡・熱海)
開館40周年記念名品展
9月1日(木) ~10月25日(火)

◆ その他、オススメの浮世絵展覧会





山口県立萩美術館・浦上記念館
(山口・萩)
蒐集家 浦上敏朗の眼
浮世絵・やきもの名品展
9月10日(土)~11月13日(日)




千葉市美術館
(千葉・千葉)
新版画
進化系UKIYO-Eの美
9月14日(水)~11月3日(木・祝)

10/22
アダチ版画の摺師による実演会あり!


日中友好会館美術館
(東京・飯田橋)
珠璧交輝
清代木版年画+UKIYO-E
9月23日(金)~11月20日(日)
 
国立劇場伝統芸能情報館
(東京・半蔵門)
入門展
いざ、歌舞伎
6月2日(木)~10月26日(水)
川崎浮世絵ギャラリー
(神奈川・川崎)
歌川広重
行書・隷書東海道
8月27日(土)~11月13日(日)
サントリー美術館
(東京・六本木)
美をつくし
大阪市立美術館コレクション
9月14日(水)~11月13日(日)


>>その他全国の浮世絵が見られる美術館・博物館情報はこちら(※「北斎今昔」内リンク)

2022年8月更新!
アダチ浮世絵ギャラリーでは、アダチ版浮世絵を飾って楽しんでいるところ、贈って喜んでいただいるところ、そして、アダチ版画からの飾り方提案などをアトランダムにご紹介してまいります。
ご自身のSNSでの投稿をお知らせいただいたり、メールでお写真を送っていただければこちらでご紹介いたします。
皆さんからのお写真をお待ちしております!

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■アダチ版画目白ショールームにて
  ミニ企画展『 ‟いきもの"と‟おばけ"で学ぶ!浮世絵と木版のワザ 』開催!

アダチ版画研究所では、8月16日(火)から9月3日(土)まで、ミニ企画展『‟いきもの"と‟おばけ"で学ぶ!浮世絵と木版のワザ』を、目白ショールームにて開催することといたしました。

今回の企画展では、愛猫家・国芳の描く『其まま地口猫飼好五十三疋』や、北斎の『百物語』のシリーズなど、人気が高まる動物や妖怪の浮世絵の代表作を一挙展示。また、生き物をリアルに表現する木版画ならではの技術を、普段はお見せしていない版木の展示なども交えながらアダチ版画独自の視点でご紹介していきます。

また、今回は専門のスタッフによるギャラリートークも開催!展示や木版画の技法について解説していきます。(要予約)
可愛らしくちょっぴり怖い作品で、浮世絵や伝統木版画技術について楽しく学ぶことができる展示内容は、大人の方にも、お子様の夏休みの自由研究にもおすすめです!

ぜひこの機会に、私どもが継承する伝統木版技術の魅力に触れていただければ幸いです。

■企画展開催概要

‟いきもの"と‟おばけ"で学ぶ!浮世絵と木版のワザ
会 期
   2022年8月16日(火)-2022年9月3日(土)
ギャラリー
トーク

  実施日時:
   ① 8月19日(金)午前11時~/午後2時~
   ② 8月23日(火)午前11時~/午後2時~
  各回定員6名ずつ、予約制(先着順・参加費無料)
  ※ギャラリートーク以外のご入場はご予約不要です。

  ギャラリートークご参加の方には、アダチ版画特製
  かわいい金魚のミニメッセージカードをプレゼント!(右図)

  ご参加をご希望の方はお電話(03-3951-2681)、
  もしくは問い合わせフォームより
  【お名前・お電話番号・ご希望の回・ご参加人数】を お知らせください。
  ※8月11日(木)~8月14日(日)はお盆の休業期間となりますので、
  休業期間中のお問い合わせは8月15日(月)以降のご連絡となります。

ミニメッセージカード
場 所
  アダチ版画目白ショールーム(JR目白駅より徒歩約10分) 詳細はこちら >>
時 間
  火曜-金曜 10:00-18:00、 土曜 10:00-17:00 定休日:日曜、月曜、祝祭日
入 場
  無料

アダチ版画目白ショールームは現在、ご予約なしでご来場いただけます。(ギャラリートークは要予約) コロナウィルス感染拡大防止のため、マスクの着用や手指の消毒、ソーシャルディスタンスを確保してのご鑑賞にご協力をお願いいたします。


東京・目白に工房を構え、復刻版の浮世絵や現代木版画を制作しているアダチ版画研究所では、毎月、全国各地で行われている浮世絵の展覧会情報を更新しています。現在開催中、および8月開催のオススメ浮世絵展覧会をご紹介します!各地で魅力的な浮世絵の展覧会が目白押しです。
なお、新型コロナウイルスの影響により営業時間等が変更になる場合がございますので、必ず各館の公式HPをご確認の上お出かけください。

 

◆ 8月のPick up!オススメ展覧会

 

東京・原宿にある太田記念美術館では、7月30日より、企画展「浮世絵動物園」が開催されます。

 


浮世絵にはさまざまな動物が登場します。ペットとして愛される猫や犬、日々の営みを助けた馬や牛など身近な動物はもちろん、おめでたい鶴や亀、舶来の象や豹、はては地震を起こすとされた鯰までもが描かれています。また浮世絵師たちは、想像力を駆使し、擬人化した動物やこの世に存在しない珍獣も生み出しました。
本展では、葛飾北斎や歌川広重をはじめとする代表的な絵師の作品はもちろん、擬人化動物を得意とした歌川芳藤や、太田記念美術館のTwitterのアイコンでもお馴染みの、愛らしい珍獣・虎小石を生み出した歌川芳員など、40人におよぶ絵師の作品約160点が展示されます。(前期・後期で全点入替え)バラエティに富んだ浮世絵の動物表現を存分に楽しめる、見応えたっぷりの展覧会です。
また、7月9日(土)~9月25日(日)の期間中、「渋谷で日本美術めぐり」と称し、太田記念美術館と山種美術館の2館相互割引もございます。ぜひこの夏は美術館で涼しい夏を過ごされてはいかがでしょうか。



 
太田記念美術館 (東京・原宿)
浮世絵動物園
7月30日(土)~9月25日(日)



◆ アダチ版復刻浮世絵の取り扱いがある美術館・博物館

下記でご紹介する美術館・博物館では、常時アダチ版復刻浮世絵をお求めいただけます。(お求めいただけない商品もございますので、ご了承ください。) 「実際に復刻版の浮世絵を見てみたいけれど、目白のショールームまで来るのは難しい...」という方も、ぜひお近くの美術館・博物館でご覧いただければ幸いです。

すみだ北斎美術館 (東京・両国)
北斎 百鬼見参
6月21日(火)〜8月28日(日)
信州小布施 北斎館 (長野・小布施)
わくわく!WORK
6月18日(土)~8月28日(日)
中山道広重美術館 (岐阜・恵那)
人だらけ-街の雑踏を見る-
7月28日(木)~8月28日(日)
 
東京国立博物館 (東京・上野)
浮世絵と衣装―江戸
通年展示
静岡市東海道広重美術館 (静岡・清水)
浮世絵で学ぶ日本史
源平の争いと鎌倉幕府
7月12日(火) ~9月11日(日)
 

◆ その他、オススメの浮世絵展覧会

安城市歴史博物館 (静岡・南安城)
怖~い浮世絵
7月16日(土)~9月4日(日)
港区郷土資料館 (東京・白金台)
"Life with ネコ"展
7月16日(土)~9月11日(日)
国立歴史民俗博物館 (千葉・佐倉)
水滸伝ブームの広がり
8月3日(水)~ 9月4日(日)
 
名古屋市博物館 (愛知・名古屋)
もしも猫展
7月2日(土)〜8月21日(日)
山種美術館 (東京・広尾)
水のかたち
7月9日(土)~9月25日(日)
 




島根県立美術館 (島根・松江)
北斎コレクション
常設展示

アダチ版「凱風快晴」
摺順序・版木の展示あり!


白山文化博物館 (岐阜・郡上)
葛飾北斎『諸国瀧廻り』と阿弥陀ヶ滝
7月23日(土)~9月19日(月・祝)
アダチセレクト「話題の一枚」大はしあたけの夕立


前回は、「大はしあたけの夕立」が印象派の画家たちに与えた影響や、広重が本作に込めた工夫とこだわりについてご紹介してきました。後半となる今回は、本作に秘められた浮世絵制作の技について迫ります。(2022年7月5日 追記・再編集)

vol.1はこちら>>

版下絵から見えてくる制作の秘密

絵師・彫師・摺師・と分業制の浮世絵制作において、浮世絵師は線だけで構成された版下絵(はんしたえ)を描きます。
ここで、「大はしあたけの夕立」の版下絵を見てみましょう!

歌川広重「大はしあたけの夕立」の版下絵
<歌川広重「大はしあたけの夕立」の版下絵>


えっ?これだけ!?と驚かれたのではないでしょうか?
本作品の完成図と比べてみると、描かれていない部分が多いことが見て取れるかと思います。

版下絵に描かれているのは、手前を横切る大橋・急ぎ足で橋を渡る人々・そして川に浮かぶ船と船頭ただそれだけなのです。

 

それに対し、皆さんがよくご存知の葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を見てみましょう!

葛飾北斎「神奈川沖浪裏」の版下絵
<葛飾北斎「神奈川沖浪裏」の版下絵>


絵のほとんどが線で描かれているので、摺り上がりの全体像が、輪郭線だけで想像することができるかと思います。


輪郭線の中に一色ずつ色を摺るという"線"と"面"で構成される浮世絵版画。
上の二図を比べてみても、北斎が"線"で描くことを得意としたのに対し、広重は"面"を効果的に利用した絵師といえるでしょう。


そして、本作の場合、対岸にかすんで見える街並みは、輪郭線をあえて描かずに、面を使ってシルエットで柔らかく表現しています。

かすんだシルエットで表現された対岸の街並み
<かすんだシルエットで表現された対岸の街並み>


二次元の絵の中で、効果的に空間と距離を感じさせる見事な表現方法といえるのではないでしょうか。

わずか二回の摺りで大雨を降らせる!夕立の秘密

では、本作の見どころともいえる"夕立"は、いったいどのように表現されたのでしょうか。

版木二面だけで表現する激しく降りつける雨
<版木二面だけで表現する激しく降りつける雨>

実際に雨を摺る際に使う版木を見てみると、まるで定規で線を引いたかのようにまっすぐな線が無数に彫ってあります。
摺り上がりでは幾重にも見える雨ですが、実際にはわずか版木二面を使っているだけなのです。

うすい墨と濃い墨の二種類で摺り分け、さらに雨の角度に微妙な変化をつけることで激しく打ち付ける夕立を表現しています。


2つの雨の版を図解してみると、雨の線を重ね合わせることで強い雨脚を表現しているのがわかります。

この降りつける夕立を作り出すには、なんといっても緻密な彫が重要。
一円玉と比較すると一目瞭然です。

熟練の技術を要する緻密な彫


これほど繊細な彫となると、当時から技術を認められた彫師だけが彫ることを許されたと考えることができます。熟練の技術を要する緻密な彫は、まさに彫師の腕の見せどころ。間近で見ていただきたいポイントです。

熟練の技術を要する緻密な彫
<熟練の技術を要する緻密な彫>


暗雲が垂れ込む!摺師の技が魅せる空模様

そして、空には黒々とした雨雲が垂れ込めています。本作で描かれている夕立は、まさに今でいうところの"ゲリラ豪雨"でしょうか。

作品上部にぼかしを入れ、その色を変えることで季節や時間・天候までをも表現した広重ですが、本作においても墨でぼかしを入れることで暗雲を表現しています。

暗雲が垂れ込む空模様
<暗雲が垂れ込む空模様>

 

この雨雲がモクモクと垂れ込む様子を表現するために、"あてなしぼかし"と言われる摺りの技法が使われています。これは版木に雲の形が彫ってあるのではなく、平らな板の上を刷毛を使って雲の形を描くようにぼかしを作ります。

一度に100枚程度を仕上げる摺師にとって、まったく同じ形の雲に摺るこの"あてなしぼかし"は、熟練の摺師にしかできない大変高度な技なのです。

摺師の腕の見せどころ あてなしぼかし
<摺師の腕の見せどころ"あてなしぼかし">

 

2回に渡って歌川広重の代表作「大はしあたけの夕立」をご紹介しましたが、本作の魅力を充分にお楽しみいただけましたか?

風景画の常識を破り、縦長の画面を最大限に活かした大胆な構図や、和紙に水性の絵の具を摺り込むことで生まれた"広重ブルー"など、江戸の庶民を楽しませるために工夫したことで生まれた浮世絵の魅力が、西洋の画家たちにも大きな影響を与えたと言えるのではないでしょうか。
このコラムを通して、広重が本作に込めた工夫とこだわりを感じていただければ幸いです。

歌川広重「大はしあたけの夕立」
歌川広重「大はしあたけの夕立



そして今年、2022年7月9日(土)から山種美術館にて開催される「水のかたち」展にて「大はしあたけの夕立」が展示されます!(※前期:7/9~8/14にて展示予定。)
展覧会と合わせ、本作の魅力をじっくりとお楽しみください。

 

歌川広重「大はしあたけの夕立」 商品詳細はこちら >>

アダチセレクト「話題の一枚」大はしあたけの夕立

突然の激しい夕立に慌てる人々が急ぎ足で橋を渡っていく。
そんな一瞬の季節の情景を鮮やかに描いた本図は、印象派の画家ヴァン・ゴッホが模写をしたことで世界的にも知られています。

第三弾となるアダチセレクト「話題の一枚。」は、風景画の大家・歌川広重の最も有名な代表作「大はしあたけの夕立」。その見所と共に、本図が海外の美術へ与えた影響や、制作に秘められた技まで2回にわたって詳しくご紹介いたします。(2022年7月5日 追記・再編集)

工夫とこだわりが詰まった、歌川広重の集大成!

本図「大はしあたけの夕立」は、江戸近郊の様々な風景を描いたシリーズ「名所江戸百景」の中の一図。隅田川の下流、幕府の御用船安宅丸の船蔵があった辺りに掛かっていた大橋を見下ろすような構図で捉え、突然降り出す夏の夕立の激しさを詩情たっぷりに描いた臨場感あふれる傑作です。この作品を描くにあたり広重は様々な表現の工夫を凝らしました。

◎風景画の常識を破る縦長の構図

西洋でもそうですが、ほとんど風景画は横長の画面に広く描くのが定番といえるのではないでしょうか。広重自身も、30代で描いた代表作「東海道五十三次」は横長の画面で描いています。
その後、広重は試行錯誤の末、縦長の画面で風景の一部分を切り取って描く表現方法に辿り着いたといわれています。広重は最も描きたい部分を限定して画面の中に切り取ることで存在感を強調し、更に俯瞰や遠近法といった自在な視点の変化を組み合わせて、非常にインパクトのある構図を作り出しました。
この縦長の画面を最大限に生かしているのが晩年に手掛けた「名所江戸百景」シリーズ。天高くから降る雨の激しさが際立つ本図もその一つです。

Pick up!「名所江戸百景」
代表作「東海道五十三次」を始めとする全国各地の風景を描いてきた歌川広重が最晩年に手掛けた、広重の画業の集大成といえる一大シリーズ。大胆奇抜な構図と四季折々の豊かな季節感を感じさせる優れた名作が揃っています。

歌川広重「庄野 白雨」 歌川広重「大はしあたけの夕立」
歌川広重 「庄野 白雨」 歌川広重 「大はしあたけの夕立」
<30代で描いた雨の傑作「庄野 白雨」は横長の画面> <晩年の60代に描いた本図。縦長の画面。>
 
歌川広重「庄野 白雨」 歌川広重「大はしあたけの夕立」
「庄野 白雨」の雨の板 「大はしあたけの夕立」の雨の板
<「庄野 白雨」では面で、「大はしあたけの夕立」では線で表された雨。雨脚の強さも異なって見える。>

 

◎躍動感を与える斜めの画面構成

本図を見ると画面を斜めに横切る橋が手前に描かれ、雨に霞む遠景の対岸は橋と逆の角度でやはり少し斜めに描かれています。このジグザグとした傾きが画面に動きを与え、雨や橋の上を行き交う人々の勢いを強調しています。
写実性よりも臨場感を重視した表現方法に、感性を重視する広重の柔軟な発想が伺えます。


<ジグザグとした傾きが画面に動きを与えている>

 

◎世界で賞賛される"広重ブルー"

川の流れに入れられた濃い青のぼかし。水面の浅い水色からのグラデーションが川の深さを感じさせ、画面に自然な奥行きを与えています。

この一際目を惹く濃い青色に用いられているのが、当時、海外から新しく輸入された人工の絵具プルシアンブルーです。元々ベルリンで科学的顔料として作られたため、浮世絵においてはベロリン(ベルリン)の藍、通称「ベロ藍」と呼ばれました。
これまでの浮世絵には使われていなかった鮮やかな発色は江戸っ子の評判を呼び、それを受けて北斎や広重の風景画にも非常によく使われました。

<画面に奥行を与え、水の深さを表現する濃い青のぼかし>


水で溶いた絵具を和紙に摺りこむことで生まれる浮世絵特有のすっきりとした軽さや鮮やかな発色はが、それまでの西洋絵画の厚みのある油彩を見慣れた人々の目に新鮮に映ったのではないでしょうか。

こうして元は西洋で生まれた青色は、浮世絵を生んだ絵師・広重のセンスや職人の高度な木版技術によって、日本の浮世絵を代表する色「広重ブルー」として全く新たな評価をされるようになったのです。

<和紙に水性の絵具を摺りこむ木版画ならではの鮮やかな発色>

 

様々な工夫や拘りを込めて描かれた広重の作品は当時の江戸庶民を楽しませただけでなく、海を越えた印象派の画家たちに大きな衝撃を与えました。中でも、「ひまわり」などの作品で世界的に高い評価を受けているゴッホはこの「大はしあたけの夕立」や同シリーズの「亀戸梅屋舗」を熱心に模写し、その作風にも多大な影響を受けたと言われています。

西洋にはあまり見られない、上から見下ろすような大胆な構図や、和紙に水性の絵の具を摺りこんだ木版特有の鮮やかで明るい色彩は、ゴッホの目に非常に魅力的に映ったことでしょう。

このように見てくると「大はしあたけの夕立」は、構図や色を含め、独学で絵を学んだゴッホにとって非常に得ることの多い新鮮なものだったといえます。

それは、和紙と水性の絵具という日本特有の素材と当時世界でも類を見ない高度な木版技術によって浮世絵が制作されていたからこそともいえるのではないでしょうか。

日本独自の木版画技術が込められた浮世絵。
次回は、西洋の画家までもを魅了した「大はしあたけの夕立」に込められた、木版画の技術をご紹介しながら作品の魅力に迫ってまいります。
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歌川広重「大はしあたけの夕立」 商品詳細はこちら >>

東京・目白に工房を構え、復刻版の浮世絵や現代木版画を制作しているアダチ版画研究所では、毎月、全国各地で行われている浮世絵の展覧会情報を更新しています。現在開催中、および7月開催のオススメ浮世絵展覧会をご紹介します!各地で魅力的な浮世絵の展覧会が目白押しです。
なお、新型コロナウイルスの影響により営業時間等が変更になる場合がございますので、必ず各館の公式HPをご確認の上お出かけください。

 

◆ 7月のPick up!オススメ展覧会

 

東京・両国にあるすみだ北斎美術館では現在「北斎 百鬼見参」展が開催されています。

 


鬼は古来より日本人の心に深く根ざし、その精神世界の形成に大きな影響を与えています。かつては神話や伝説として、現在ではマンガやゲームなどの創作物でも頻繫に登場する鬼は、江戸時代に起こった読本などを題材とする浮世絵にも数多く描かれました。
本展覧会では、日本を代表する浮世絵師・葛飾北斎がどのように鬼を捉え、表現してきたかに迫ります。人気シリーズ「百物語」や版本、そして初公開の貴重な肉筆画など、北斎とその門弟が描いた約145点(前期・後期で展示替えあり)を通じ、鬼才・北斎が鬼をどのようにとらえ、表現したかに迫る展覧会です。日本における多様な鬼の姿を描き出す、北斎の発想力と筆力をぜひご覧ください。



 
すみだ北斎美術館 (東京・両国)
北斎 百鬼見参
6月21日(火)〜8月28日(日)



◆ アダチ版復刻浮世絵の取り扱いがある美術館・博物館

下記でご紹介する美術館・博物館では、常時アダチ版復刻浮世絵をお求めいただけます。(お求めいただけない商品もございますので、ご了承ください。) 「実際に復刻版の浮世絵を見てみたいけれど、目白のショールームまで来るのは難しい...」という方も、ぜひお近くの美術館・博物館でご覧いただければ幸いです。

太田記念美術館 (東京・原宿)
源平合戦から鎌倉へ
―清盛・義経・頼朝
7月1日(金)~7月24日(日)
中山道広重美術館 (岐阜・恵那)
浮世絵
DESIGN
6月23日(木)~7月24日(日)
静岡市東海道広重美術館 (静岡・清水)
浮世絵で学ぶ日本史
源平の争いと鎌倉幕府
7月12日(火) ~9月11日(日)
 
東京国立博物館 (東京・上野)
浮世絵と衣装―江戸
通年展示
MOA美術館 (静岡・熱海)
冨嶽三十六景と東海道五十三次
5月13日(金)~7月18日(月)
信州小布施 北斎館 (長野・小布施)
わくわく!WORK
6月18日(土)~8月28日(日)

◆ その他、オススメの浮世絵展覧会

川崎浮世絵ギャラリー (神奈川・川崎)
月岡芳年 新形三十六怪撰
6月11日(土)~8月21日(日)
名古屋市博物館 (愛知・名古屋)
もしも猫展
7月2日(土)〜8月21日(日)
和泉市久保惣記念美術館 (大阪・和泉)
浮世絵オールスター
6月26日(日)~8月21日(日)
 
山種美術館 (東京・広尾)
水のかたち
7月9日(土)~9月25日(日)
国立劇場伝統芸能情報館 (東京・半蔵門)
いざ、歌舞伎
6月2日(木)~10月26日(水)
港区郷土資料館 (東京・白金台)
"Life with ネコ"展
7月16日(土)~9月11日(日)


>>その他全国の浮世絵が見られる美術館・博物館情報はこちら(※「北斎今昔」内リンク)

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■北斎による全国名瀑ツアー

アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、月に一度、第一火曜日に新作を公開します(※)。2022年6月の壁紙は、葛飾北斎の「諸国滝廻り」より清涼感あふれる「木曾海道小野ノ瀑布」です。(※今月以降は3ヶ月おきの更新となります。)

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スマホ用壁紙(2022年6月版)ダウンロードはこちら
※画像はアダチ版画研究所が制作した復刻版浮世絵を使用しています。
※個人で楽しむ範囲でご利用ください。商用利用、再配布禁止。

■この壁紙に使用されている作品は?

この春は全国各地で北斎展ラッシュ。そこで3ヶ月連続、北斎の浮世絵でスマホ用壁紙をお届けします。代表作「富嶽三十六景」で、全国各地の富士の眺望を描いた北斎。富士山の次のテーマに選んだのは滝でした。8図から成るシリーズ「諸国滝廻り」は、水のさまざまな様相をとらえようとする北斎の挑戦と、各地の民間伝承や信仰に対する興味がうかがえます。

「木曾海道小野ノ瀑布」は、長野県木曽郡上松町にある小野の滝を描いた作品。真っ直ぐ落ちる美しい滝の姿が、縦構図の画面にすっきりと収まっています。中山道(木曽街道)をゆく旅人たちが、足を止めて眺めていますね。街道沿いにあった観光スポットで、北斎だけでなく広重もこの滝を描いています。国道19号からすぐの場所にあるため、現在もドライブの途中に多くの人が立ち寄っています。

葛飾北斎「木曾海道小野ノ瀑布」商品ページはこちら


品質へのこだわり

品質へのこだわり

アダチの浮世絵は、手にして初めて分かる、熟練の技術と日本の伝統が詰まっています。

製作工程

制作工程

一切機械を使うことなく一枚一枚職人の手仕事により丁寧に作られている木版画です。

厳選素材・道具

厳選素材・道具

江戸当時の風情を感じられる当時の浮世絵の再現にこだわり、厳選した素材と道具を使用。

職人紹介

職人紹介

最高の作品を創り出すために、日々技術の研鑽を積む熟練の職人たち。

浮世絵の基礎知識

浮世絵の基礎知識

意外と知らない?浮世絵の世界。浮世絵の基礎知識をご紹介。