待望の第二弾!絵師・山口晃が描いた「新東都名所 芝の大塔」完成

2014.12.08

 

ファン待望の第二弾は東京タワー!絵師・山口晃が描いた「新東都名所 芝の大塔」完成。

現在活躍中のアーティスト・山口晃氏を絵師に迎え、アダチ版画の彫師・摺師の伝統木版技術で制作した現代の浮世絵「新東都名所 芝の大塔」がこの度完成いたしました。

「新東都名所」とは、今の東京のランドマークとなる場所を山口氏独自の視点で描いたシリーズで、2012年に日本橋を描いた「日本橋 改」を第一弾として出版いたしました。過去・現在・未来が混在した懐かしくも新しい山口氏ならではの独特の世界がお楽しみいただけるシリーズです。

待望の第二弾は、"東京タワー"こと「芝の大塔」

第一弾「日本橋 改」は、山口氏初のオリジナル浮世絵ということで各方面で話題となり、出版1年程で限定150部の作品が売切れてしまうほど好評を得る事が出来ました。

その後も皆様から「新東都名所シリーズの続きは?」「次はいつ出るの?」と言ったお客様からのお声をたくさんいただきました。
そんなご要望に応えるべく、皆さんに楽しんでいただく東京の今のランドマークはどこだろう?といくつか考えた末、山口氏と「やはり、東京タワーですかね」ということで第二弾「芝の大塔」の制作がスタートいたしました。

新東都名所「芝の大塔」
新東都名所「日本橋 改」  
<前作「新東都名所 日本橋 改」>   <新作!「新東都名所 芝の大塔」>


絵師・山口氏の描いた版下絵、自由自在な筆遣いにも注目!

版下絵

前回同様、制作は江戸の浮世絵と全く同じ方法をとっており、絵師・彫師・摺師がそれぞれ分かれて仕事をしています。

絵師・山口氏には、東京のランドマークとして今なお人気の"東京タワー"を描くということをお願いし、和紙に筆で版下絵を描いていただきました。こちらがその版下絵です。

筆でこれだけの細かく美しい線を描いていただけるのも山口氏だからこそです。

東京タワーは、構造をしっかりと捉えメカニックな線で、一方、芝周辺で生活する人々の様子はのどかな柔らかい線で描き分けられています。広重も顔負けの美しい版下です。

版下絵・部分

 

今回この版下絵と対峙し、一番長い時間山口氏の線に触れた彫師・新實にその魅力を聞いてみました。

彫師・新實

Q.これまで浮世絵の復刻から現代の作品までたくさんの木版画作品を彫ってきたとおもいますが、山口氏の作品を手掛けての感想はどうですか?

新實:現代の作家で風景で版下絵からというのは珍しいよね。浮世絵師でいうと広重らしい線を感じるね。木の描き方とか人物とか。山口先生の他の作品をみると人物は通常かなり細かく描いているけど、今回の作品の人物は非常に浮世絵風というか、うまく省略されて描かれているよね。
 

Q.山口氏の描いた版下絵を彫るにあたって特に気をつけた部分などはありますか?

新實:風景だからやはり遠近感が線でも出るように、版下に従いながらも、東京タワーはより遠くに見えるよう若干細く彫るように気をつけたかな。あとは、神社の石垣の部分は先生の描いた線のとおりにリズムをもって彫ったね。デジタルの作品と違って、線にリズムもあるので彫るのもスムーズだったよ。

 

彫師・摺師の技で繊細に、そして色鮮やかな浮世絵へ

それでは、次はその新實の彫の作業を見てみましょう。

彫り風景

山口氏が描いた版下絵を山桜の木に貼って、線を彫っていきます。

小刀という道具一本で線の両脇に刀を入れ、その後、線の部分が凸になるように周りの部分を取り除くと作品のアウトラインの部分、主版(おもはん)が完成します。


主版 <彫りあがった主版> 差し上げ図

この後に、山口氏に色を入れた差し上げ図にて色を指定いただき、色の部分の板が彫られることになります。

<山口氏が色を指示した差し上げ図>

 

摺り風景

作品制作に必要な版木(はんぎ)がすべて揃うと次は、いよいよ摺の作業になります。

山口氏の指定に従って一色ずつ丁寧に摺り重ねていきます。

  塔・部分

微妙な色のバランスなど何度か校正を仕上げ、確認をしていただきようやく校了~完成!

今回、メインになる「東京タワー」には、微妙なぼかしの技術を駆使し、塔がスッと見えるよう工夫を重ねています。是非、お手元でご覧ください。

 

新東都名所「芝の大塔」

山口晃 新東都名所「芝の大塔」
完売いたしました

山口晃

山口 晃(やまぐちあきら)

1969年東京生まれ。96年東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。 01年第4回岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞。13年『ヘンな日本美術史』で第12回小林秀雄賞受賞。
 
時空が混在し、古今東西様々な事象や風俗が、卓越した画力によって描き込まれた都市鳥瞰図・合戦図などが代表作。観客を飽きさせないユーモアとシニカルさを織り交ぜた作風も特徴のひとつ。絵画のみならず立体、漫画、また「山愚痴屋澱エンナーレ」と名付けた一人国際展のインスタレーションなど表現方法は多岐にわたる。五木寛之氏による新聞小説「親鸞」「親鸞 激動編」「親鸞 完結編」の挿絵を通算3年間担当する。15年2月21日より5月17日まで水戸芸術館現代美術センターにて個展開催予定。
(撮影:松蔭浩之/Courtesy Mizuma Art Gallery)
 
 

■作品仕様

限定部数   150部(作家直筆サイン・番号入り)
画 寸 法   39.2 × 26.9 cm
額 寸 法   58.0 × 45.0 cm
版     種   木版画
用     紙   越前生漉奉書
制     作   アダチ版画研究所
    彫 新實護允・岸千倉
    摺 久保田憲一・京増与志夫
監     修   (公財)アダチ伝統木版画技術保存財団
協     力   ミヅマアートギャラリー
品質へのこだわり

品質へのこだわり

アダチの浮世絵は、手にして初めて分かる、熟練の技術と日本の伝統が詰まっています。

製作工程

制作工程

一切機械を使うことなく一枚一枚職人の手仕事により丁寧に作られている木版画です。

厳選素材・道具

厳選素材・道具

江戸当時の風情を感じられる当時の浮世絵の再現にこだわり、厳選した素材と道具を使用。

職人紹介

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最高の作品を創り出すために、日々技術の研鑽を積む熟練の職人たち。

浮世絵の基礎知識

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意外と知らない?浮世絵の世界。浮世絵の基礎知識をご紹介。