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2022.12.06
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、3ヶ月に一度、3/6/9/12月の第一火曜日に新作を公開します。2022年12月の壁紙は、歌川広重の「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」です。
スマホ用壁紙(2022年12月版)ダウンロードはこちら
※画像はアダチ版画研究所が制作した復刻版浮世絵を使用しています。
※個人で楽しむ範囲でご利用ください。商用利用、再配布禁止。
歌川広重の「名所江戸百景」は、四季折々の情趣を織り交ぜながら江戸のさまざまな名所を描いた広重晩年の代表作。題名は「百景」とうたっていますが、好評を博し最終的に120図を越える(※弟子の二代広重が描いた作品を含む)一大シリーズとなりました。のんびりとした素朴な風景を得意とした広重ですが、本シリーズでは風景画としては珍しい縦構図を採用し、大胆なトリミングや独特の遠近感で、百万都市・江戸の風景をモダンなセンスで切り取っています。老境の広重のこの挑戦は、今なお多くの表現者たちを勇気づけ、影響を与え続けています。
大きな木の下にたくさんの狐が集まったファンタジックな本図は、「王子の狐火」の民間伝承を題材にしたものです。東京都北区王子にあった榎の古木は、狐火が出ることで有名でした。毎年大晦日には、この木の下に関東の狐たちが集まり、装束を整え列をなして王子稲荷社へ参詣したといいます。
背景の濃鼠の空は、絵の具に鉱物性の雲母(キラ)の粉を混ぜて摺り、満天の星空を表現。黒々とした榎の古木のシルエットの下、すらりとした狐たちの姿は妖しくどこか儚げです。「名所絵」の表現の可能性を押し広げた、広重の人気作です。