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2014.11.28
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第二回目は、異色の絵師・写楽がどのように誕生したか?その謎に迫ります! 華麗なるデビュー、その裏には!?写楽は、本作「三世大谷鬼次江戸兵衛」をはじめとする28枚の大判サイズの役者絵でデビューしました。大判サイズというと、皆さんもよくご存知の北斎「神奈川沖浪裏」と同じサイズで浮世絵では一般的な大きさです。 しかし当時は、出版リスクを回避するということもあったようで、絵師は細判といった小さなサイズの作品を手がけるところから始まることがほとんどでした。同じ版元の蔦屋からデビューした北斎ですら、細判の役者絵から始めたのですから、無名の絵師であった写楽が大判からというのは異例だったと言えます。
なぜ、無名であった写楽が大判で、しかも雲母摺と呼ばれる豪華なつくりをした一連のデビュー作を発表することができたのでしょうか。 写楽がデビューした頃は、天明の飢饉からの不況と寛政の改革による贅沢の禁止で、歌舞伎界は、幕府公認の芝居小屋として繁栄していた中村座をはじめとする三座も公演を打てないほど衰退していたようです。その影響は浮世絵にも及んでおり作品の内容から版元や絵師が罰を受けることもありました。今回取り上げる蔦屋もこの禁止令により写楽登場の数年前に罰を受けており、版元にとっては厳しい世の中であったことがわかります。 このことは、蔦屋がこのシリーズの出版にあたり「曽我祭」が行われ、歌舞伎界が活気を取り戻すことを願うと同時に、写楽のインパクトある作品を出版し、ヒットさせることで自らが置かれていた厳しい状況を一変させたいという願いもあったのではないでしょうか。写楽のデビューした時期が歌舞伎の初春や顔見世などの旬な時期ではなく一番地味なときであった理由もここからきていると言われています。 この「三世大谷鬼次の江戸兵衛」は28図の中でも一際インパクトがあり、手と顔の大きさや体勢のアンバランスさが個性的で、その芝居の臨場感を引き出しています。そして鬼次の顔は非常に特徴的で写真もなかった当時、庶民はどんな役者が演じているかをリアルに知ることができたでしょう。 大首絵から全身像、その変化とは?「三世大谷鬼次の江戸兵衛」のように大首絵と呼ばれる役者のバストアップの構図で28図出したあと、第二期として同年7月に全身像をメインとした作品群を発表しています。
この変化は、第一期で役者の個性を描ききったあと、第二期では全身を描くことによって芝居の内容を描き出したかったからだと考えられています。
写楽の役者絵シリーズは全部で四期に分けられていますが、中でもやはり江戸の人々を驚かせた第一期のデビュー作は、より役者の真に迫った描写がされていると同時に、黒い雲母を使った背景の処理が当時とても革新的であったといえます。その革新さは、現代の私たちにとっても変わることなく「三世大谷鬼次の江戸兵衛」は中でも人気No.1の名作といえます。 次回は、この写楽の革新さを支えた黒い雲母をはじめとする制作の秘密について焦点をあて取り上げていきます。 |
2014.11.14
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写楽は対立するこの二人の関係を画面上でも表現しようと試みました。この二人を描いた二図の大首絵を並べると、互いに向き合い構えた、まさに見せ場の場面になっているのが分かります。舞台の緊張がそのまま伝わってくるような、臨場感溢れる構図です。 人気の役者絵こそ浮世絵の本質!?写楽が「恋女房染分手綱」の舞台を描いたのは、この対になる二図だけではありません。 当時の役者絵はいわば人気アイドルのブロマイドのようなものであり、興業にあわせて舞台上の役者を描いた作品が売りだされると、ファンはそれぞれが贔屓にする役者の絵をこぞって買い求めました。
現在数多く残る風景画の浮世絵が脚光を浴びるのは後年、葛飾北斎が「冨嶽三十六景」で評判となって以降であり、それまではこうした役者絵や美人画が浮世絵のメインジャンルでした。 今一番評判の芝居、評判の役者といった世間の流行の最先端をいち早く描き、鮮度の良い話題性のある作品を生み出すことこそ「浮世を描いた絵」浮世絵の本質といえます。 世間を驚かせた異色の役者絵歌舞伎の公演の度、様々な絵師によって数多くの役者絵が制作されましたが、その中でなぜ写楽が今日これほど知られているのでしょうか。
絵師としては異色であった写楽と本図が後世において誰もが知るところとなったのは、その鋭い観察眼と忌憚のない正直な表現によって美醜だけではない役者の人柄や内面までも描き出してみせた点にあると言えるでしょう。 世界が認めた浮世絵師・東洲斎写楽。 |
2014.11.07
本日は立冬。暦の上では冬を迎え、日ごとに寒さを感じる季節となりました。
目白ショールームでは、冬をテーマに展示替えを行いました。当時の冬の過ごし方を垣間見られる「炬燵」を描いた作品や、酉の市や大晦日などのこの時期の風物詩を描いた広重の名作、雪を愛でながら宴を催す女性たちを描いた清長の二枚続きなどお楽しみいただけます。
季節に合わせた浮世絵を探しに、ぜひ目白ショールームへお越しください。
https://www.adachi-hanga.com/ukiyo-e/showroom/
2014.11.01
現在開催中、および今月開催のオススメ浮世絵展覧会をご紹介します! |
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◆ アダチ版復刻浮世絵の取り扱いがある美術館・博物館 |
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下記でご紹介する美術館・博物館では、常時アダチ版復刻浮世絵をお求めいただけます。(お求めいただけない商品もございますので、ご了承ください。) |
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◆ その他、オススメの浮世絵展覧会 |
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