モネとゴッホが愛したUKIYO-Eベストセレクション

 

江戸時代、庶民に愛され大流行した浮世絵。
今なお、日本文化の代表として世界中の人々に高く評価されています。近年、パリでは北斎や国芳の大回顧展が開催され、日本各地でも浮世絵の展覧会が数多く開催されています。

今回アダチ版画では、現在開催中のサントリー美術館『広重ビビッド展』や太田美術館『広重展』でも話題の歌川広重最晩年のシリーズ「名所江戸百景」の作品や葛飾北斎の最高傑作「神奈川沖浪裏」など、浮世絵が世界的に評価される礎となった「ジャポニスム」に関係の深い名作12点を厳選したセット「モネとゴッホが愛した UKIYO-E ベストセレクション」をご紹介いたします!

モネとゴッホが愛したUKIYO-Eベストセレクション
<アダチ厳選の「UKIYO-Eベストセレクション」>

 

モネが愛したUKIYO-E

明治期はじめ、西洋に渡った浮世絵は「ジャポニスム」と呼ばれるムーブメントの中で、印象派の画家たちに影響を与えたことは前回コラムでもご紹介いたしました。
中でも、前回コラムでご紹介したゴッホと並んで、その影響を受けた画家のひとりと言われているのが印象派画家の代表格であるクロード・モネです。



■ 浮世絵への憧れ 庭に太鼓橋をつくったモネ

モネは、晩年を過ごしたパリ郊外にあるジヴェルニーの家に名作『睡蓮』の舞台としても有名な庭をつくっています。

ジヴェルニーの庭

その庭の池に架かった日本風太鼓橋のモデルとなったと言われているのが、歌川広重「亀戸天神境内」(名所江戸百景)です。

モネはこの太鼓橋を題材に数々の作品を残しており、その構図について「亀戸天神境内」を参考にしたと思われる作品が見られます。

<ジヴェルニーの庭にある太鼓橋のモデル>
歌川広重「亀戸天神境内


他にも、モネがコレクションしたと言われている200点以上の浮世絵の一部が、このジヴェルニーの家中いたるところに飾られているなど、モネが浮世絵を深く愛していたことがうかがい知れます。


■ モネも魅了された"UKIYO-E"の色彩

では、なぜそれほどまでにモネは浮世絵を愛したのでしょうか。モネが愛し影響を受けた浮世絵の魅力とはどんなものだったのでしょうか。

モネの200点以上の浮世絵コレクションを見渡してみると、北斎、広重などの風景画が半数以上を占めています。これらの風景画は構図もさることながら、色数にも富んでおり、色彩が大変鮮やかです。

中でも特に藍色は、その鮮やかさが目を引きます。北斎や広重が活躍した時代に大流行していた西洋から新しく輸入された化学的に作られた絵具プルシアンブルー(通称"ベロ藍")が多く用いられています。

もともと西洋の顔料であったこのベロ藍ですが、水に溶き和紙に摺りこむことで生まれる木版画ならではの発色の鮮やかさやみずみずしさは、幕末以降浮世絵が西洋へ渡り広まると、広重の名をとった"広重ブルー"として西洋の人々に全く異なるものとして評価されました。

阿波 鳴門の風波
<"ベロ藍"の濃淡を使い迫力ある波を表現している>
歌川広重「 阿波 鳴門の風波」


藍色に代表される明るく軽やかな浮世絵の色彩。油性絵具を重ねて塗っていく西洋の油彩画とは全く異なるそれは、モネたち印象派の芸術家を惹きつけたのでしょう。『光の画家』とも呼ばれるモネは、それまでの西洋画から一線を画す明るい色調で作品を描いていますが、浮世絵からの影響がそこにはあるのかもしれません。

印象派の大家モネの作品が今でも世界中で愛されているように、モネの愛した浮世絵の鮮やかでみずみずしい色彩も今なお世界を魅了しています。



「モネとゴッホが愛した UKIYO-E ベストセレクション」 商品詳細ページはこちら >>

モネとゴッホが愛したUKIYO-Eベストセレクション

 

江戸時代、庶民に愛され大流行した浮世絵。 今なお、日本文化の代表として世界中の人々に高く評価されています。近年、パリでは北斎や国芳の大回顧展が開催され、日本各地でも浮世絵の展覧会が数多く開催されています。

今回アダチ版画では、現在開催中のサントリー美術館『広重ビビッド展』や太田美術館『広重展』でも話題の歌川広重最晩年のシリーズ「名所江戸百景」の作品や葛飾北斎の最高傑作「神奈川沖浪裏」など、浮世絵が世界的に評価される礎となった「ジャポニスム」に関係の深い名作12点を厳選したセット「モネとゴッホが愛した UKIYO-E ベストセレクション」をご紹介いたします!

モネとゴッホが愛したUKIYO-Eベストセレクション
<アダチ厳選の「UKIYO-Eベストセレクション」>

ゴッホが惚れ込んだUKIYO-E

明治期に入り、海外に渡った日本の美術工芸品が特にヨーロッパで高い評価を受け「ジャポニスム」と呼ばれる一大ムーブメントが起こりました。開国後、日本の陶器を海外に送る時の梱包材として使われていた浮世絵に当時の西洋の人が驚き、高く評価したというエピソードを聞いたことがある方も多いかと思います。

本格的には、1862年にロンドンで開かれた万国博覧会で初めて浮世絵が世界にお披露目されたそうです。その頃から、海外の上流階級の人々が浮世絵を評価し、コレクションし始めるようになると、彼らに浮世絵を販売する商人も現れます。その結果、大量の浮世絵が海外へ渡ることとなりました。

このことをきっかけに、浮世絵は多くの芸術家に影響を与えていきました。


■ 浮世絵に魅了された画家・ゴッホ

とりわけ、浮世絵に影響を受けたとされる芸術家として有名なのが、後期印象派の画家ヴァン・ゴッホです。 1853年にオランダで生まれたゴッホは、独学で絵を学び、32歳でパリに移り住んだ際に出会ったのが浮世絵でした。

亀戸梅屋舗 大はしあたけの夕立

ゴッホは、広重最晩年のシリーズ「名所江戸百景」の亀戸梅屋舗を『花咲く梅の木』、大はしあたけの夕立を『雨の大橋』というタイトルでそれぞれ模写作品を残しています。

左/亀戸梅屋舗
右/大はしあたけの夕立


美術の世界において「模写」とは、ただ単に写すということではなく、作風や作者の制作意図を理解するために用いられると言われています。では、ゴッホは広重の名作を模写することで、何を得ようとしたのでしょうか。


■ 西洋にはない広重独特の構図

広重の作品に見られる特徴的な描き方ですが、「亀戸梅屋舗」のように近景を大胆にクローズアップして描き、遠景と対比するように画面が構成させています。

また、大空を羽ばたく鷲がまるで地上の獲物に狙い定めているかのような姿を俯瞰で描いた「深川洲崎十万坪」など、写実的な世界を描くことが主流であった西洋の人々とって、それまでにはなかった広重独特のダイナミックな構図が、ゴッホをはじめ印象派の画家たちを魅了したと言えます。

深川洲崎十万坪
広重 「深川洲崎十万坪


独学で絵を学んだゴッホにとって、それまでになかった構図や浮世絵独特の表現方法など非常に得ることの多い新鮮なものだったのではないでしょうか。それゆえ、400点以上ともいわれる浮世絵のコレクションを所有し、数多くの模写作品を残したとされています。

一大ムーブメントとなったジャポニスムの中でも今なお、日本文化の代表として世界中の人々に愛される浮世絵。

次回は、印象派を代表する画家・モネが愛した浮世絵の魅力について迫ります。



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現在開催中、および5月開催のオススメ浮世絵展覧会をご紹介します!
各地で魅力的な浮世絵の展覧会が目白押しです。

 

◆ 5月のPick up!オススメ展覧会

 

現在、東京・原宿にある太田記念美術館では「歌川広重 ~東海道五十三次と冨士三十六景」展が開催中です。

 

広重は、「東海道五十三次」で風景画家としての評価・人気を確固たるものにし、最晩年に北斎の「冨嶽三十六景」へ挑戦した「冨士三十六景」を描いています。本展では、広重の画業を彩る二大シリーズとともに、「江戸名所百景」など名所絵の名作もご覧いただける内容となっています。

また、常設で紹介いただいているアダチ版復刻浮世絵もご覧いただけます。ゴールデンウィークのお休みに、是非足を運んでみてください。



 
太田記念美術館 (東京 原宿)
歌川広重 ~東海道五十三次と冨士三十六景
4月29日(金)~6月26日(日)



◆ アダチ版復刻浮世絵の取り扱いがある美術館・博物館

下記でご紹介する美術館・博物館では、常時アダチ版復刻浮世絵をお求めいただけます。(お求めいただけない商品もございますので、ご了承ください。)


静岡市東海道広重美術館 (静岡 由比)
東海道旅みやげ
4月5日(火)~7月10日(日)

中山道広重美術館 (岐阜 恵那)
春季特別企画展
「古今東西美女競-描かれた女-」
4月7日(木)~6月12日(日)

北斎館 (長野 小布施)
北斎とその弟子たち
北斎DNAの継承
4月3日(金)~6月28日(火)
 
広重美術館 (山形 天童)
浮世絵と写真でたどる東海道
4月27日(水)~5月29日(日)
東京国立博物館 (東京 上野)
浮世絵と衣装-江戸(浮世絵)
4月12日(火)~5月8日(日)
 

◆ その他、オススメの浮世絵展覧会

アダチ版浮世絵販売あり!

Bunkamura ザ・ミュージアム
(東京 渋谷)
ボストン美術館蔵
俺たちの国芳 わたしの国貞
4月19日(土)~6月5日(日)
アダチ版浮世絵販売あり!

サントリー美術館 (東京 六本木)
原安三郎コレクション
広重ビビッド展
4月29日(金)~6月12日(日)
アダチ版浮世絵販売あり!

そごう美術館 (神奈川 横浜)
あそぶ浮世絵 ねこづくし
4月2日(土)~5月8日(日)
 
徳川美術館 (愛知 名古屋)
ぶらり浮世絵散歩
-平木名品コレクション-
4月16日(土)~5月29日(日)
回向院念仏堂 (東京 両国)
2日間だけの清長と
相撲浮世絵展
5月14日(土)、15日(日)
 
品質へのこだわり

品質へのこだわり

アダチの浮世絵は、手にして初めて分かる、熟練の技術と日本の伝統が詰まっています。

製作工程

制作工程

一切機械を使うことなく一枚一枚職人の手仕事により丁寧に作られている木版画です。

厳選素材・道具

厳選素材・道具

江戸当時の風情を感じられる当時の浮世絵の再現にこだわり、厳選した素材と道具を使用。

職人紹介

職人紹介

最高の作品を創り出すために、日々技術の研鑽を積む熟練の職人たち。

浮世絵の基礎知識

浮世絵の基礎知識

意外と知らない?浮世絵の世界。浮世絵の基礎知識をご紹介。