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- 合計 999,999円
(税込)
2022.07.29
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2022.07.06
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版下絵から見えてくる制作の秘密絵師・彫師・摺師・と分業制の浮世絵制作において、浮世絵師は線だけで構成された版下絵(はんしたえ)を描きます。
輪郭線の中に一色ずつ色を摺るという"線"と"面"で構成される浮世絵版画。
わずか二回の摺りで大雨を降らせる!夕立の秘密では、本作の見どころともいえる"夕立"は、いったいどのように表現されたのでしょうか。
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そして、空には黒々とした雨雲が垂れ込めています。本作で描かれている夕立は、まさに今でいうところの"ゲリラ豪雨"でしょうか。 |
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<暗雲が垂れ込む空模様> | ||
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この雨雲がモクモクと垂れ込む様子を表現するために、"あてなしぼかし"と言われる摺りの技法が使われています。これは版木に雲の形が彫ってあるのではなく、平らな板の上を刷毛を使って雲の形を描くようにぼかしを作ります。 |
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<摺師の腕の見せどころ"あてなしぼかし"> |
2回に渡って歌川広重の代表作「大はしあたけの夕立」をご紹介しましたが、本作の魅力を充分にお楽しみいただけましたか? |
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歌川広重「大はしあたけの夕立」 |
2022.07.06
![]() 突然の激しい夕立に慌てる人々が急ぎ足で橋を渡っていく。 第三弾となるアダチセレクト「話題の一枚。」は、風景画の大家・歌川広重の最も有名な代表作「大はしあたけの夕立」。その見所と共に、本図が海外の美術へ与えた影響や、制作に秘められた技まで2回にわたって詳しくご紹介いたします。(2022年7月5日 追記・再編集) 工夫とこだわりが詰まった、歌川広重の集大成!本図「大はしあたけの夕立」は、江戸近郊の様々な風景を描いたシリーズ「名所江戸百景」の中の一図。隅田川の下流、幕府の御用船安宅丸の船蔵があった辺りに掛かっていた大橋を見下ろすような構図で捉え、突然降り出す夏の夕立の激しさを詩情たっぷりに描いた臨場感あふれる傑作です。この作品を描くにあたり広重は様々な表現の工夫を凝らしました。 ◎風景画の常識を破る縦長の構図西洋でもそうですが、ほとんど風景画は横長の画面に広く描くのが定番といえるのではないでしょうか。広重自身も、30代で描いた代表作「東海道五十三次」は横長の画面で描いています。 Pick up!「名所江戸百景」
◎躍動感を与える斜めの画面構成本図を見ると画面を斜めに横切る橋が手前に描かれ、雨に霞む遠景の対岸は橋と逆の角度でやはり少し斜めに描かれています。このジグザグとした傾きが画面に動きを与え、雨や橋の上を行き交う人々の勢いを強調しています。
◎世界で賞賛される"広重ブルー"
様々な工夫や拘りを込めて描かれた広重の作品は当時の江戸庶民を楽しませただけでなく、海を越えた印象派の画家たちに大きな衝撃を与えました。中でも、「ひまわり」などの作品で世界的に高い評価を受けているゴッホはこの「大はしあたけの夕立」や同シリーズの「亀戸梅屋舗」を熱心に模写し、その作風にも多大な影響を受けたと言われています。 |