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2023.09.05
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、3ヶ月に一度、3/6/9/12月の第一火曜日に新作を公開します。2023年9月の壁紙は、歌川広重の「葉ごしの月」です。
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※画像はアダチ版画研究所が制作した復刻版浮世絵を使用しています。
※個人で楽しむ範囲でご利用ください。商用利用、再配布禁止。
浮世絵師・歌川広重は、代表作「東海道五十三次」や「名所江戸百景」など、日本各地の風景の中に、人々の営みをいきいきと描き出した作品で人気を博しました。また一方で彼は、短冊型の細長い画面に四季折々の動植物を描き、時に詩歌を添えた、文人好みの作品を数多くのこしています。
本作「葉ごしの月」は、縦長の画面を活かし、清涼感あふれる青い滝水の向こうに、月を望む構図で描かれています。まん丸の月は、和紙の肌地そのまま。周囲の夜空を深い藍色で摺ることで、煌々と輝く満月を表しています。懸崖の紅葉の朱色がアクセントになり、鑑賞者の視線を画面の上から下へと静かに誘導してくれます。
しんと静まり返った深山の夜、かすかな水の音、風の音が聞こえてきそうな、広重ブルーの名品です。
2023.06.03
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、3ヶ月に一度、3/6/9/12月の第一火曜日に新作を公開します。2023年6月の壁紙は、小林清親の「東京新大橋雨中図」です。
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※画像はアダチ版画研究所が制作した復刻版浮世絵を使用しています。
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本作を描いたのは、明治期に活躍した浮世絵師、小林清親。「光線画」と呼ばれる明暗を強調した画風で、近代化の進む街並みをモダンに切り取った一方、在りし日の江戸を追想するような風景画を描き、「明治の広重」と呼ばれました。
ここに描かれている「新大橋」は、隅田川に架かる橋です。かつて広重は、最晩年に発表した「名所江戸百景」の中で、夕立の新大橋を、見下ろすような視点から縦構図で描きました(参照:「大はしあたけの夕立」)。清親は、むしろ視点を低く取り、緩やかな弧を描く橋の姿を横構図で描いています。広重がシャープな直線で強い雨脚を表したのに対し、清親は女性が差す蛇の目傘のみで、しとしと降る静かな雨を表現。手法は異なるものの、軽やかな木版画の色彩で、雨天の情趣を見事に描き出しています。
2023.03.07
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、3ヶ月に一度、3/6/9/12月の第一火曜日に新作を公開します。2023年3月の壁紙は、歌川広重の「名所江戸百景 隅田川水神の森真崎」です。
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歌川広重の「名所江戸百景」は、四季折々の情趣を織り交ぜながら江戸のさまざまな名所を描いた広重晩年の代表作。題名は「百景」とうたっていますが、好評を博し最終的に120図を越える(※弟子の二代広重が描いた作品を含む)一大シリーズとなりました。のんびりとした素朴な風景を得意とした広重ですが、本シリーズでは風景画としては珍しい縦構図を採用し、大胆なトリミングや独特の遠近感で、百万都市・江戸の風景をモダンなセンスで切り取っています。老境の広重のこの挑戦は、今なお多くの表現者たちを勇気づけ、影響を与え続けています。
本作は隅田川の水神社から、北方の筑波山を望んだ景色です。隅田川沿いは江戸時代から桜の名所として多くの花見客で賑わい、数多くの浮世絵にその様子が描かれています。しかし広重が描いたのは、人影もまばらな静かな水神の森です。染井吉野とは開花時期がずれる八重桜を、広重はここで一人心静かに愛でていたのでしょうか。名所絵の広重と言われ日本全国津々浦々の風景を描いてきた彼が、心安らぐとっておきの穴場を、最晩年のこの作品で私たちに教えてくれたのかも知れませんね。
2022.12.06
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、3ヶ月に一度、3/6/9/12月の第一火曜日に新作を公開します。2022年12月の壁紙は、歌川広重の「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」です。
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歌川広重の「名所江戸百景」は、四季折々の情趣を織り交ぜながら江戸のさまざまな名所を描いた広重晩年の代表作。題名は「百景」とうたっていますが、好評を博し最終的に120図を越える(※弟子の二代広重が描いた作品を含む)一大シリーズとなりました。のんびりとした素朴な風景を得意とした広重ですが、本シリーズでは風景画としては珍しい縦構図を採用し、大胆なトリミングや独特の遠近感で、百万都市・江戸の風景をモダンなセンスで切り取っています。老境の広重のこの挑戦は、今なお多くの表現者たちを勇気づけ、影響を与え続けています。
大きな木の下にたくさんの狐が集まったファンタジックな本図は、「王子の狐火」の民間伝承を題材にしたものです。東京都北区王子にあった榎の古木は、狐火が出ることで有名でした。毎年大晦日には、この木の下に関東の狐たちが集まり、装束を整え列をなして王子稲荷社へ参詣したといいます。
背景の濃鼠の空は、絵の具に鉱物性の雲母(キラ)の粉を混ぜて摺り、満天の星空を表現。黒々とした榎の古木のシルエットの下、すらりとした狐たちの姿は妖しくどこか儚げです。「名所絵」の表現の可能性を押し広げた、広重の人気作です。
2022.09.06
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、3ヶ月に一度、3/6/9/12月の第一火曜日に新作を公開します。2022年9月の壁紙は、歌川広重の「名所江戸百景」の秋の名作「猿わか町夜の景」です。
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歌川広重の「名所江戸百景」は、四季折々の情趣を織り交ぜながら江戸のさまざまな名所を描いた広重晩年の代表作。題名は「百景」とうたっていますが、好評を博し最終的に120図を越える(※弟子の二代広重が描いた作品を含む)一大シリーズとなりました。のんびりとした素朴な風景を得意とした広重ですが、本シリーズでは風景画としては珍しい縦構図を採用し、大胆なトリミングや独特の遠近感で、百万都市・江戸の風景をモダンなセンスで切り取っています。老境の広重のこの挑戦は、今なお多くの表現者たちを勇気づけ、影響を与え続けています。
「猿わか町夜の景」に描かれているのは、江戸時代末期の芝居町、猿若町(現在の浅草)。芝居小屋が立ち並び、役者や芝居関係者の多くが住んだ町でした。木版の透明感のある藍色が、秋の夜空の凜として澄んだ空気を伝えてくれます。煌々と輝く満月は、和紙の肌地の白をそのまま活かして表現。極端な遠近法とうつろな影法師が、いつまでも芝居の余韻に浸っていたい人々の夢見心地を表しているかのようです。広重の「名所江戸百景」から多くのインスピレーションを得たと言われているのが、あのフィンセント・ファン・ゴッホ。名作「夜のカフェテラス」は本作からの影響が指摘されています。
2022.06.07
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、月に一度、第一火曜日に新作を公開します(※)。2022年6月の壁紙は、葛飾北斎の「諸国滝廻り」より清涼感あふれる「木曾海道小野ノ瀑布」です。(※今月以降は3ヶ月おきの更新となります。)
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この春は全国各地で北斎展ラッシュ。そこで3ヶ月連続、北斎の浮世絵でスマホ用壁紙をお届けします。代表作「富嶽三十六景」で、全国各地の富士の眺望を描いた北斎。富士山の次のテーマに選んだのは滝でした。8図から成るシリーズ「諸国滝廻り」は、水のさまざまな様相をとらえようとする北斎の挑戦と、各地の民間伝承や信仰に対する興味がうかがえます。
「木曾海道小野ノ瀑布」は、長野県木曽郡上松町にある小野の滝を描いた作品。真っ直ぐ落ちる美しい滝の姿が、縦構図の画面にすっきりと収まっています。中山道(木曽街道)をゆく旅人たちが、足を止めて眺めていますね。街道沿いにあった観光スポットで、北斎だけでなく広重もこの滝を描いています。国道19号からすぐの場所にあるため、現在もドライブの途中に多くの人が立ち寄っています。
2022.05.03
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、月に一度、第一火曜日に新作を公開します(※)。2022年5月の壁紙はダイナミックな構図の葛飾北斎の花鳥図「罌粟(けし)」です。(※2022年6月以降は3ヶ月おきの更新となります。)
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先月の枝垂れ桜に続いて、今月も北斎の花鳥画をお届けします。北斎が代表作「富嶽三十六景」を刊行していたのとほぼ同時期に発表した10図の花鳥画の中より「罌粟(けし)」。版元(当時の出版社)も「富嶽三十六景」と同じ西村永寿堂です。富士山のシリーズの大ヒットを受け、がらりとモチーフを変えて花鳥画のシリーズを発表するところに、北斎の創意や版元の販売戦略が見え隠れしますね。
とはいえ「富嶽三十六景」の成功体験もきちんと活かされています。こちらの作品のダイナミックな構図、浮世絵ファンなら見覚えがあるのではないでしょうか。そう、大波の彼方に富士山を描く北斎の最高傑作「神奈川沖浪裏」。迫り上がる波のカーブは、風に揺れる罌粟の茎と同じです。可憐な道端の花も、天才・北斎の手にかかれば、こんなにもドラマティックに。北斎のチャレンジ精神がうかがえる華やかな春の一図。(10図の花鳥画シリーズについてはこちらのコラムもご参照を。)
2022.04.05
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、月に一度、第一火曜日に新作を公開します。2022年4月の壁紙は、桜の小枝に遊ぶ鷽の姿を描いた葛飾北斎の「鷽に垂桜」です。
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北斎が描いた小ぶりな画面サイズ(中判)の花鳥画。タイトルは「鷽(うそ)に垂桜(しだれざくら)」。深い藍色の背景が潔くモダンです。画中に添えられた句は「鳥ひとつ 濡れて出けり 朝さくら」。朝露に濡れた朝桜の枝を飛び回っていた小鳥が、ひょこっと顔をのぞかせた瞬間をとらえています。
日本の文化が、西洋の芸術に影響を与えたといわれるジャポニスム。その中で北斎が担った役割は非常に大きいものです。特に北斎が描いた花鳥画は、陶磁器やガラス製品、宝飾品などさまざまな西洋の工芸デザインに参照されました。北斎の自然に対する慈しみ深い眼差しと、生命の輝きの一瞬をとらえる確かな描写力を十二分に物語る作品です。
2022.03.01
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、月に一度、第一火曜日に新作を公開します。2022年3月の壁紙は、桜づくしの衣裳に身を包んだ少女の舞姿を描く喜多川歌麿の「娘道成寺」です。
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※画像はアダチ版画研究所が制作した復刻版浮世絵を使用しています。
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若い女性たちが有名な舞踊曲を舞う姿をとらえた、喜多川歌麿の「当世踊子揃」というシリーズの中の一図。それぞれの舞踊の主題に合わせた衣裳デザインが見どころです。こちらの作品は画中に「道成寺」とあり、歌舞伎舞踊「京鹿子娘道成寺(通称:娘道成寺)」を描いていることがわかります。「娘道成寺」は、桜満開の紀州・道成寺が舞台。本図の少女が身につけている着物、かんざし、舞扇はすべて桜づくしです。
道成寺伝説の根底にあるのは、恋に焦がれて大蛇となった若い娘の一途な恋心。まだあどけなさの残るこの若い踊り手は、どんな想いで「娘道成寺」を舞っているのでしょうか。背景は、雲母(きら)と呼ばれる鉱物性の物質を混ぜた絵の具を用いており、薄紅色の真珠のような、なめらかな光沢が少女の姿を引き立てています。
2022.02.01
アダチ版復刻浮世絵によるスマートフォン用の壁紙は、多くの方に日常生活の中で浮世絵をより身近に楽しんでいただけるよう、月に一度、第一火曜日に新作を公開します。2022年2月の壁紙は、空飛ぶ鳥の視点から雪景色の深川を描いた「深川洲崎十万坪」です。
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歌川広重の「名所江戸百景」は、広重最晩年の風景画の一大連作。江戸およびその近郊の名所を四季折々の情緒と共に描いた縦型構図の風景画シリーズで、その数は120図にも及びます。ゴッホが模写したことで知られる「大はしあたけの夕立」などともに人気が高いのが、本作「深川洲崎十万坪」。ヘリコプターもドローンもなかった時代に、広重はどのように、この鳥瞰の視点を獲得したのでしょうか。
深川の洲崎は、日の出や潮干狩りの名所。ただし広重が描いたのは「十万坪」と言われた洲崎の広大な埋立地でした。人影のない海辺の雪景色を見下ろす孤高の鷹。抑制された色遣いの中に、冠冒の赤が利いていますね。