現在は新大橋としてかかっている橋で、広重は橋脚もしっかりと描いています。
雨に濡れないように、着物の裾をまくり上げ、傘を目深にかぶり帰路を急ぐ様子が描かれています。
雨を細い線で表すと共に、霞む向こう岸をぼかしを使うことで遠近感がある作品となっています。
作品毎に地模様が異なり細かい部分ですが凝ったデザインとなっています。
“あてなしぼかし”と言って、平らな板の上で、描くように摺師がこのぼかしを作ります。
人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。