歌川 広重 冨士三十六景

伊豆の山中

いずのさんちゅう

和紙の肌を活かした山頂の白さと鮮やかな深緑とのコントラスが、富士の存在感を際立たせています。

青々とした木々の緑と、勢いよく流れる水が、夏の日の情景を鮮やかに描き出しています。

広重最晩年の作品で、北斎の富士に対抗して出版された「冨士三十六景」シリーズの一図です。

山を登る人々をひときわ小さく描くことで自然の雄大さを表現しています。

空の奥行きを表現する「拭き下げぼかし」。均一でムラのないぼかしは、摺師の腕の見せどころです。

人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。



広重が北斎に対抗して描いたと言われる「冨士三十六景」シリーズ中の一図。
場所ははっきりとはわかりませんが、旧東海道に沿って箱根峠を南下して、三島の街に至る道すがらでしょう。
山並みの間から富士山が眺められます。夏の山に木々の緑が鮮やかで、豊かな水は滝となって落下しています。それらに相対するかのように真っ白な富士山の英姿を大きく扱ったところにも広重の優れた感覚がうかがわれます。

標準価格 14,300円(税込)

画寸法34.5 × 21.6 cm
用紙越前生漉奉書
解説日本語
のし対応あり
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