歌川広重 

月夜木賊に兎

つきよとくさにうさぎ

「夜はいとど 草のむしろに 露おきて 兎の妻も 寝つきかぬらん 河廼屋幸久」

和紙の肌がもつ白さを活かし、可愛らしい兎が描かれています。

風景画で有名な広重ですが、短冊型の花鳥図を多く描いています。

木賊は庭先などにも見られる植物で、秋に苅ることから秋の季語になっています。

上からの空のぼかし、そして月のまわりの柔らかいぼかしが大変効果的に満月の夜を演出しています。

人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。

短冊型の細長い画面に、満月と兎と木賊が絶妙なバランスで描かれています。白黒の世界の中で、兎の赤い目と版元を示す赤い印が作品全体を引き締めています。ほとんど色を使っていない作品でありながらも、寒々しい感じは全くなく、むしろ兎の体温が伝わってくるようです。一本の枝にも一輪の花にも風情があり、鳥獣を配してひとつの情趣が醸し出されています。

標準価格 14,300円(税込)

画寸法38.2 × 12.6 cm
用紙越前生漉奉書
解説日本語・英語併記
のし対応あり
納期ご注文より5営業日以内に発送
歌川広重について
天保年間に保永堂から出版された全55図の「東海道五十三次」が大ヒットし、以降数々の東海道の風景画を描きました。 花鳥画にも詩情溢れる優品を残し、最晩年に手がけた一大連作「名所江戸百景」では、四季折々の江戸の風景を、独特の視点と豊かな感性で描き出しました。同シリーズは、ゴッホが模写したことでも知られています。
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