葛飾北斎 北斎花鳥画集

牡丹に蝶

ぼたんにちょう

花びらの細かな線が繊細に描かれた牡丹の花。

牡丹の香りに誘われやってきた蝶が可憐に飛んでいます。

風に翻る葉の裏表も細かく描き分けています。

主役の花を引き立てる単一色による背景の「潰し」。簡単に見えてもムラなく摺るには熟練の技術が必要です。

「前北斎為一筆」とありますが、富嶽三十六景の出版と同時期に使っていた北斎の絵師名です。

人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。

牡丹は、4~5月頃に咲く花で、花言葉は「高貴・壮麗」。北斎は本シリーズで花と鳥を描写するだけでなく、自然の中での風・空気・時間までを表現しようと試みています。本図は、蝶が風に吹かれて揺れる牡丹に留まろうとした瞬間を的確に捕らえて、「森羅万象を生けるがごとく描かん」という意気込みを読み取ることができます。

標準価格 14,300円(税込)

画寸法25.5 × 37.0 cm
用紙越前生漉奉書
解説日本語・英語併記
のし対応あり
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