当時の「水滸伝」ブームを背景に国芳が描いたシリーズ「通俗水滸伝豪傑百八人之壱人」。
武者絵の髪の毛の細かさは想像を絶するもので、一流の彫師にしか彫れない作品です。
彫師により彫られた一本一本の髪が綺麗に摺られ、武者の勇敢な姿を引き立てます。
張順の白い肌を彩るのは大蛇の刺青です。彫師の技の見せ所です。
伝説や逸話などを題材にした国芳の作品には、このような物語の説明が見られます。
人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。