喜多川歌麿 実競色乃美名家見

紙屋次兵衛 紀ノ国屋小春

かみやじへえ きのくにやこはる

小田原提灯を小さくたたみ、灯りを消そうとしている瞬間です。

頭巾で顔を覆う小春の表情は微笑んでいるようにもみえます。

本作の版元、西村屋清の印。

布から透けて見えるように小春の表情を描き、その秘めたる美しさを感じさせます。

生え際は、最も難易度が高い所。江戸時代には専門の職人がいた、彫師の腕の見せ所です。

人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。

浄瑠璃の情話に出てくる男女の半身像を中心に描いた「実競色乃美名家見」のうちの一枚。大坂の紙屋次兵衛と紀ノ国屋小春が、網島の大長寺で心中した事件を題材とした浄瑠璃をもとに、描かれたと言われています。本図では、頭巾で身を隠しぴったりと寄り添った二人が、手に持った提灯の火を消して、今まさに心中を試みようとしている場面が描かれています。

標準価格 22,000円(税込)

画寸法38.5 × 25.7 cm
用紙越前生漉奉書
解説なし
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