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- 合計 999,999円
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本作「桜花に富士図」は、北斎が「画狂人」と名乗っていた40代の頃に描いた作品です。重なり合う満開の桜とあたりに漂う春霞、その向こうに白化粧の霊峰富士を望む美しい春の情景です。生涯を通じて富士を描き続けた北斎。そんな「富士の絵師」北斎が描いた本作は、現存作例も極めて少ない知る人ぞ知る傑作です。「富士」と満開の「桜」を抜群の構図で描いた本作は、まさに日本人の心象風景そのもの。淡い色を何度も摺り重ねて生み出す上品で洗練された色合いや、桜の花びらに施された画面を立体的に浮かびあがらせる「空摺」など、木版特有の技法を多用し、贅を極めた特注品として作られた作品です。
「摺物(すりもの)」とは、江戸時代当時、特注品として作られた作品です。広く一般向けに企画販売される一枚絵とは異なり、教養人である注文主の趣味や意向にあわせた特別注文により、洗練された色遣いや「空摺」などの摺の技法を多用した豪華な作品が作られました。手の込んだ摺の技法が映えるように、和紙は上質で厚手の物が使われました。また、特注品であるために作品のサイズも様々で、本作は「長判」と呼ばれる横に長いサイズで制作されました。こうした「摺物」には、技と贅を極めた逸品が多く残されています。
特注品として作られた本作は、北斎の優れた筆遣いによって、桜の花びら一枚一枚が個性を持った輪郭線で描き分けられたり、またその輪郭線が何色にも分けられたりと、とても手の込んだ作品です。その北斎の筆遣いを忠実に再現し、全ての版を彫り上げるには大変な手間と時間がかかります。高い彫の技術が要求される作品です。
本作では、全体に淡い色を何度も摺り重ねることで、上品で繊細な色合いを表現しているため、摺の工程に時間がかかります。また、満開の桜を表現するために使われている「空摺」(版木に絵具を付けずに、紙に立体的な凹凸だけを付ける摺の技法)や、花びらの濃淡を表現するための「ぼかし摺」など手の込んだ摺の技法が多用されています。
本作の額装は、落ち着いた溜色の塗り額と、春らしく高級感のある木地色の額の二種類からお選びいただけます。どちらの額も、和洋問わず様々なインテリアのお部屋にしっくりと馴染みます。また、企業さまの応接間やエントランスホールなどにも上品に飾っていただけます。
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画寸法 | 20.5 × 54.8 cm |
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用紙 | 越前生漉奉書 |
解説 | 日本語・英語併記 |
のし対応 | あり |
納期 | ご注文より5営業日以内に発送 |