歌川広重 東海道五拾三次

蒲原 夜之雪

かんばら よるのゆき

雪道の坂を下る人。番傘を半開きにして杖を突き、足には雪下駄で、慎重な足取りです。

深々と降る雪は、色を用いず和紙の地の色を生かしたもの。効果的で無駄のない表現方法です。

背を丸めて坂を上る人々。先頭の菅笠に合羽の男は、小田原提灯で足元を照らしています。

山あいのぼかし。闇の中に浮かび上がる雪の白さをよく表現しています。

「一」の字を引いたようなぼかしのため、「一文字ぼかし」と言われる。ぼかす色で、時間、季節そして気候などを表現しわけています。

人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。

取り立てて何もない淋しい蒲原の宿場の風景を、広重は傑作に仕上げています。人影もまばらな夜の街道、音もなく深々と降る雪の情景は、絵師の心象風景でしょうか。完成度の高い構図、ふっくらとした新雪の柔らかさも感じるねずみ色の濃淡で表した雪の量感、人間と自然との調和した描写は、地名を超越した普遍的な風景画として強い印象を与えます。

標準価格 13,000円(税抜)

画寸法21.9 × 35.5 cm
用紙越前生漉奉書
解説日本語・英語併記
のし対応あり
納期ご注文より3営業日以内に発送
歌川広重について
天保年間に保永堂から出版された全55図の「東海道五十三次」が大ヒットし、以降数々の東海道の風景画を描きました。 花鳥画にも詩情溢れる優品を残し、最晩年に手がけた一大連作「名所江戸百景」では、四季折々の江戸の風景を、独特の視点と豊かな感性で描き出しました。同シリーズは、ゴッホが模写したことでも知られています。
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東海道五十三次について
日本橋、京都、そしてその間に設けられた53の宿駅を描いた浮世絵のシリーズ。広重は、次々に変わる景色、季節、時間、行き交う人々の生き生きとした営み、全55図を郷土色豊かに描き出しました。。日本の風土に根ざした抒情性こそ、広重の浮世絵風景画最大の特色と言えるでしょう。
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