葛飾北斎 北斎花鳥画集

あやめにきりぎりす

あやめにきりぎりす

花びらの微妙な色の変化が描かれたあやめの花。

あやめの葉の間に「きりぎりす」が隠れています。

ぴんと真っ直ぐに伸びた葉が風の止まった一瞬の静寂を感じさせます。

主役の花を引き立てる単一色による背景の「潰し」。簡単に見えてもムラなく摺るには熟練の技術が必要です。

「前北斎為一筆」とありますが、富嶽三十六景の出版と同時期に使っていた北斎の絵師名です。

人間国宝・岩野市兵衛氏が作る和紙(越前生漉奉書)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかな温かみのある風合いを作り出しています。

あやめは、5~6月頃に咲く花で、花言葉は「良き便り・愛」。北斎は本シリーズで花と鳥を描写するだけでなく、自然の中での風・空気・時間までを表現しようと試みています。本図は静止した瞬間をとらえた図で、ピンと張り詰めた空気の中に、さかさまに止まったきりぎりすの姿もとても自然で巧みな構図です。色鮮やかな藍のぼかしが初夏の風情を感じさせてくれます。

標準価格 14,300円(税込)

画寸法26.2 × 38.5 cm
用紙越前生漉奉書
解説日本語・英語併記
のし対応あり
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